コア・コンピタンス経営―未来への競争戦略 (日経ビジネス人文庫) ゲイリー・ハメル&C.K.プラハラード 日本経済新聞社 2001



コア・コンピタンス経営―未来への競争戦略 (日経ビジネス人文庫) ゲイリー・ハメル&C.K.プラハラード 日本経済新聞社 2001



 業界の競合他社に対する自社の競争力の確立がとても必要だと考えている。それをトップマネジメントに説得力のある説明をしたいと思い、知識を得るために読んでみた。



 90年代にセンセーションを巻き起こしたいわばクラシックだ。恥ずかしながら、初めて読んだ。文庫版を購入したのは、携帯性に優れているからだ。長い。480ページ近くある。



 期待していた様な内容がしっかりと含まれていた。より近年になってから、コア・コンピタンスだけでは不十分だとか、イノベーションを阻害するリスクがあるとかいった指摘も受けている様だ。それはそれで指摘の通りの事実もあると思うのだが、自社の現状には、どうもやはりコア・コンピタンスの確立を求めるというのは方向性として当たりではないだろうかという気が、読み終わった今、している。



 長い本だ。しかし、終わり1/3ぐらいから、コア・コンピタンスとはいったい何か、という著書の定義の説明などが書いてあり、その部分が特に濃くて重要な気がした。だから、長さにくじけず、完読をお薦めしたい。あるいは、訳者のあとがきが全体の要約になっているので、巻末のそれを最初に読んでしまうというのもひとつの手かも知れない。



 非常に読み応えがある内容で、満足感の大きい一冊であった。それと同時にクラシックの一冊を読破したというという事でもまた満足感が得られた。そういえば、同じビジネス書と言っても、こういうアカデミックで重くて長くて有名な本は大して読んでいない。自覚と、反省の気持ちも起こった。こういう本を読んでさえいれば良いという訳ではないだろうが、こうい本を読んだ事さえ無い、という事がそのうち災いしそうだ。もっとたくさん読もう。



コア・コンピタンス経営―未来への競争戦略 (日経ビジネス人文庫) [文庫] / ゲイリー ハメル, Gary Hamel, C.K. プラハラード, C.K. Prahalad (著); 一條 和生 (翻訳); 日本経済新聞社 (刊)

コア・コンピタンス経営―未来への競争戦略 (日経ビジネス人文庫) [文庫] / ゲイリー ハメ...