「企業参謀」大前研一

「企業参謀」 大前研一 講談社文庫 1985

 前職で課された「一週間一冊以上」の読書が今でも習慣として続いている。ありがたい事だ。


 最近の傾向として、定番や古典と呼ばれる本を読みあさっている。なぜならこれまでに読んでいないからだ。


 いい歳になってこんな事を書くのは本当に恥ずかしい。しかしあえて恥をさらしてでも、こうしてブログに正直に読書の記録を載せている。この恥ずかしさを早く返上すべく、少しでも早い時期にそれらを読み尽くしてしまおう、というのが狙いだ。本気でビジネスに活かせる考え方やノウハウを学んで、会社を大きくしたいのだ。


 あるいは、これぐらい読んでいないと、日頃すごいと思って尊敬している人達と共通言語で話すらできず、はるか遠い前方を走り続けるその人達との距離が一向に縮まらない気もするのだ。

 さて、本書は1985年発売、と書いてある。四半世紀前の本である。ところが、文庫版でない単行本のオリジナルはさらに古く、75年に発売されたのだそうだ。私が生まれるよりも前の本だ。


 さすがにボキャブラリーや挿絵の雰囲気にはノスタルジックな部分もある。しかし、肝心の内容については全く古さを感じさせない。当時はきっと固定電話と手書きの紙とペンが仕事の中心的なツールであった時代ではないだろうか。そして著者はまだ30代前半ではないだろうか。取り上げている内容が大事な急所にあまりにもジャストミートし過ぎて、その観察も分析もあまりにも鋭くて、「こうするのがいい」という対処法の示し方も的の中心のマークのさらにその中心を射抜いていて、驚きのあまり声も出ない。おっさんがひとりでマクドナルドでこの書評を書いているので、声を出さないのは当たり前だが。


 とりあえず、今の時点ですぐに自分の仕事に活かしたい事が4つある。また読み返すと増えるかも知れない。


・無理な事を推し進めようとしているのを早く見極め、無理だと言う事

・粘りの向こうに実現が見えている事には、とことん粘る事

・集めやすいデータからさっさと集めて分析に入る事

・分析結果を、関連性の無い他から持ってきたデータを使ってクロスチェックする事



企業参謀 (講談社文庫) [文庫] / 大前 研一 (著); 講談社 (刊)

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