圧倒的なコスパの浄水器
ホームセンターやスーパーの浄水器売り場にはよく、「クリタック」とか「ボンスター販売」といった、小さな浄水器が売っている。あの製品の性能はどうなのか?と気になった事は無いだろうか。私自身も気になって、実際に使ってみた。使った感想を話してみたい。
私は現在横浜に住んでいる。横浜の水道水はどんどん進歩して、今日では随分と美味しいものになっているそうだ。それでも買ってきたペットボトル入りの水と交互に飲み比べれば水道水は明らかに違うと分かる。いくら水道水としては美味しいレベルだといっても、ペットボトルの水やらウォーターサーバーのタンクの水やら、飲料水として売られているものとは隔たりがある。水道水特有の風味つきの水だ。なんでも、水道水には一定の殺菌効果を持たせるためにある程度の塩素を入れなくてはならないと法律で義務付けられているという事であるが、この塩素が水道水の味を決定的にマズくしていてどうしようもない。
何年か前の事だ。私はそれまで、浄水器など使う事なく、水道水を普通に飲んで生活していた。貧乏して育ったので、水を買って飲むという発想は無かった。ある時、浄水器をつけると水道水がとても美味しくなるという情報をふと見つけた。飲み水を毎回買うのに比べればずっとお金が掛からないので、買ってみることにした。売り場に行くと、東レのトレビーノと三菱レイヨンのクリンスイという2つのシリーズが目立つように売っていた。トレビーノのうち売れ筋らしいひとつを選んで買って帰った。取り付けて、浄水を飲んでみると、期待通りだった。これまで飲んできた水道水よりも圧倒的においしく、流石に売れ筋の製品だと感心した。それから私はカートリッジを定期的に交換しながらそのトレビーノを使い続けた。
小さい浄水器との出会い
私は昨年に引っ越しをした。新しい家でもこれまでの様にトレビーノやクリンスイを使いたいと思っていた。しかしそれはムリだった。
なぜなら、引っ越した先のキッチンがいわゆるミニキッチンで、シンクがとても小さいからだ。これまで使ってきたトレビーノやクリンスイを取り付ければその小さなシンクでは邪魔になってしまい、とても皿洗いなどできる状態ではなくなってしまうのだ。
そこでブリタなどのポットタイプのものにしてみようかと、一度は検討した。しかし中身の水が古くなり過ぎないように管理が必要だったり、洗う作業が面倒だったり、冷蔵庫の中でスペースを取ってしまったり、そういう短所が受け入れがたく、買うには至らなかった。
そんなときに目に留まったのが、イチゴの様な形をした小さな浄水器だ。ホームセンターやスーパーの浄水器売り場に行けば、トレビーノやクリンスイなどの、有名な製品が目立つように陳列されているわけだが、それらの傍らに、もう少し目立たない形で売られている製品だ。それまでも見かけてはいたのだが、特に関心を持った事はなかった。しかしひょっとすると、今のウチのキッチンには、これらがぴったりなのかも知れない。
初めてパッケージを手に取り、よく見てみた。メーカーは、東レや三菱レイヨンといった、おなじみのメーカーではない。クリタックとかボンスター販売とだとか書いてある。聞き馴染みがない。サイズ的には十分コンパクトであり、うちのミニキッチンでも行けそうだ。
少し前までは、自分に関係のある商品だなんて思ってもみなかったというのに。
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こんなブリスターパックで、だいたいぶら下がって売られている
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価格を見ると400円ちょっとだ。これまで買ってきた浄水器のカートリッジに比べるとだいぶ安い。安いので、性能にはあまり期待をせず、試しにに買ってみた。家で早速取り付けて、その浄水を味見してみた。
すると驚いた。ちゃんと効果がある。水道水の雑味はしっかり除去され、おいしいと言えるレベルの水になる。並べて飲み比べをしたわけではないが、これまで使ってきたトレビーノやクリンスイといった立派な浄水器と比べて、劣っている感じがしない。
今までもずっとこれで良かったじゃないか。高級なカートリッジを使い続けていた自分は一体何だったのだろう。
そして思った通り、コンパクトな形状は、ワンルームの狭いミニキッチンに取り付けても、邪魔にならない。
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売り場では見た目がチャチに見えない事もないが、取り付けると違和感はない。
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その日から私は、このタイプの小さな浄水器を使い続ける事になった。
小さい浄水器のバリエーションあれこれ
これら小型の浄水器には色々なバリエーションがある。シャワーに切り替える事ができる製品や、フィルターを通さずにそのままの水道水を出せるバイパス機能を持っている製品もある。ただ、そうした機能が増えればその分、サイズは大きくなる。私はあくまでコンパクトなサイズにこだわりたいので、できるだけシンプルな機能でコンパクトなものを使っている。
フィルタの性能にも色々ある。活性炭や石灰など複数の異なる濾過材の層を備えた製品が多いが、もっと低価格な、多孔質の化学繊維1種類だけのシンプルな単層構造の製品もある。使い比べてみたところ、味覚で感じるぐらいの違いがあった。価格はそこまで違わないので、多層の製品のほうがコスパが高いと判断して、使い続けている。
小さい浄水器の寿命
こうした小型の浄水器の寿命がどれくらいかというと、3ヶ月程度のものが一般的で、もっと長いものもある。トレビーノやクリンスイなどのフィルターと同じか、かえって少し長い位だ。なので、交換の手間が多いわけでもない。さらにもうひとつのメリットは、交換の時には本体全体を取り外して交換するので、きれいさっぱりと衛生的な点だ。カートリッジ部分のみを交換するタイプの浄水器だと、どうしても交換しない本体の部分に汚れが堆積してしまうはずだ。まるごと取り外して交換できるほうがきっと衛生的だ。
安く買うには
はじめのうちは近所のホームセンターやスーパーで購入していたのだが、後になってから、アマゾンで買うともっと安く買える事が分かった。元々高価なものではないのだが、定期的に消耗するので安い事は有り難い事だ。送料無料になる様に、アマゾンでまとめ買いしている。まとめ買いをしても、コンパクトなので置き場所をあまり取らない。小さいということは本当にメリットが多い。
トレビーノやクリンスイのような立派な浄水器は、高いばかりの悪い製品なのかというと、そういう事ではないだろう。きっと、価格に見合った性能の良さがあるのではないか。しかし、クリタックやボンスター販売の小さな浄水器で満足できる私にとって、トレビーノやクリンスイは、オーバースペックという事なのだろう。私はこれからも、これらの小さな浄水器と、長い付き合いになりそうだ。
製品の紹介
上の写真に写っているモデル。シンプル・コンパクトで泡沫水栓にも取り付け可能。
クリタック アクアタップトルマリン+
無駄なものを省きつつ、活性炭入りで浄水機能はあくまできちんと。高いコスパの製品群において、その中でもさらに最強クラスのコスパ。最近私が最もよく買っているのはこれ。
クリタック アクアップネオ+
シャワー切替機能付きモデル。泡沫水栓(一部)にも取り付け可能。
クリタック アクアタップA2+
小型の浄水器の市場でクリタックと双璧を成すボンスター販売のシャワー対応モデル。操作しやすい大きな切り替えハンドル付き。
ボンスター 浄水蛇口 プレミアム
2020. 5.10追記
また引っ越しをした。家が広くなったのは良いが、キッチンの水栓が写真のタイプの立派な泡沫水栓になってしまった。
もうあのお気に入りの浄水器は使えないのか。以前のキッチンよりグレードアップしての事なので、仕方がないと諦めていたのだが、ある時思い立って調べてみると、こんなものが見つかった。
クリタックのトルマリンなどが取り付けられる様に吐水口のタイプを変換できるのだ。しかも、このパーツは1度買ったらずっと使える。よかったよかった。
SANEI 泡沫アダプター 内ネジ式泡沫用 M22x1.25オネジに変換 PT35-5
カクダイ 変換アダプター 791-416
それで、変換アダプターを使って実際に装着してみた様子がこれだ。
スッキリと取り付けられた。
変換アダプターによって外ネジ式と化した水道に、外ネジ対応型のプラスチックのアダプターを取り付ける事できっちり装着できている。このプラスチックのアダプターは、クリタックの一部製品に付属しているものだ。ちなみにこのプラスチックのアダプターは、不潔にならないようにきちんとメンテナンスしていれば、浄水器本体を交換した後も、引き続き使い続ける事ができそうな、しっかりしたものだ。そしてアダプターを2個も噛ませているので出っ張ってしまうのではないかと気になったが、どちらもうまく設計されていて、コンパクトに納まっている。
そしてさらに調べると、こんなものも見つかった。これなら、アダプター無しで直接取付ができる。ただ、価格がちょっと高い。
クリタック(Kurita) 蛇口直結型浄水器 アクアタップ BC スイング
CQBCSW-3086 ホワイト
2021年1月追記
さらに調べたら、こんなものが見つかった。このアダプターを最初に買えば良かった。これを使えば、一番安いタイプの浄水器がどれでも取付可能なのに。別のアダプターを買って、それに合わせた浄水器をまとめ買いしてしまったので、在庫の浄水器を使い切ったら買うことにしよう。
カクダイ 泡沫水栓用アダプター 9223
2022年3月追記
浄水器の在庫を使い切って、アダプターをカクダイの9223に交換した。今までは2つのアダプターを組み合わせていたが、これからはこの1つのアダプターだけで浄水器が取り付けできる。衛生的にも改善されたはずだ。
ちょっと不思議なシェイプだが、とにかくすっきりした。整流板が内蔵されており、浄水器を取り付けない状態でも、アダプター単体で整流機能がある。
クリタックのアクアタップSを装着。水栓がTOTO、アダプタがカクダイ、浄水器がクリタックと、3つのメーカー全てがバラバラだなんて決して思えないほどのまとまり感だ。