セラミックのごますり器(ごまミル)は使いやすいのか?

臼がセラミックでできているごますり器は使いやすいのか

臼がセラミック製のごますり器が増えている。かつては珍しい製品だったのに、今は日常的によく見かけるものになった。なんとなく良さそうなものだと思いながら様子見をしていたのだが、これだけ多く出回るようになったという事はきっと評判が良いのだろう。ちなみにセラミックでないものの多くは、臼の部分がナイロンでできている。ナイロンとセラミックだとそんなに違うものなのか。いくらか値段が高いという事が多少引っ掛かるが、それでも使い心地が気になる。そこで買って確かめてみた。

結果、セラミック製のものは次元が違うぐらい使いやすいものだった。もう、セラミックじゃないごますり器には戻れない。値段の違いには十分見合っていると私は思う。

選んだのは、写真に写っているパール金属の製品だ。わざわざ本体を分解したりする事なく、すりごまの出口部分にあるツマミを右へ左へと回す事で簡単に粗挽き・細挽きの調節が無段階にできる。


購入したゴマミルの写真
臼はハードだが、家庭の食卓にマッチするポップな見た目

私はどちらかというとごますり器をキッチンで料理する時よりも食卓で食事をする時に使う事が多い。すりごまを薬味として料理に振りかける。2、3回ガリガリと挽いたところで、もっと細かいほうがいいとか、荒いほうがいいとか、すりごまの細かさを調節したくなる事が多い。この製品はそんな調整が簡単にできる設計になっているので、扱いやすくて大いに気に入っている。同じように食卓でごますり器を使う機会の多い人にはおすすめだ。

肝心のすり心地について説明すると、思った以上に快適なすり心地だ。セラミック製の臼は、ゴマに比べてはるかに硬い材質であるという事を使うたびに再確認させてくれるかの様だ。ゴマ程度の硬さのものなんかにはびくともせず、問答無用で粉砕して行く。引っかりや詰まりの感覚なんてまるでない。そこには心地よいほどの安定感がある。ゴマというものはある程度の硬さを持ったものだという感覚があったが、ひとたびセラミックの臼にかかればまるでカズノコぐらいの硬さのものがプチプチと弾けているのかと感じるぐらい、いとも簡単にすりつぶされて行く。

敢えて欠点を挙げるならば、あまりにもスムースであるがために思ったより短時間で多くのゴマがすれてしまい、ついついゴマの消費量が多くなってしまう点だ。ボーッとゴマをすって、ふと我に返ると、「あれ、そんなにすったっけ?」と思うほどどっさりとすりごまが積もっている事がある。

結論として、セラミックのごますり器は優れている。価格が高いといっても、普通のナイロン製の臼のものとの差はせいぜい数百円程度だ。私はもともとゴマが好きで、色々な料理にすりごまをかけて食べているので、ごますり器の使用頻度はそれなりに高い。なのでもう十分元は取っただろう。なぜこれをもっと早く買わなかったのか。この存在を知っていたのに、買おうか買うまいかウダウダ迷っていた事を後悔している。同じ様に迷っている人には、手に入れる事をおすすめする。

セラミックのごますり器あれこれ

─様々なセラミックのごますり器製品を集めてみた。ユーザー目線での解説も─

パール金属 セラミック ゴマミル イエロー C-895

上の写真のモデル。ゴマをすりながら、もっと粗く/細かくを気軽に調整可能。シャープでクールなデザインではなく、どことなく実家の雰囲気が漂う温かみあるカラーリング。そしてなぜか中身のゴマがおいしそうに見える。この安さにして、全体的に操作性に優れており、使いやすさはピカイチ。

京セラ セラミックミル (ゴマ専用) イエロー 【粗さ調節可能、軽くひねるだけでしっかり擦れる! 】 CM-10N-YL


セラミックと言えば京セラ。ゴマすり器も作っていた。ゴマすり用はイエローだが、統一感のあるデザインでペッパー/ソルト用にモノトーンのカラバリのものがある。ゴマの色=落ち着いたイエローと、わかりやすさとオシャレさを両立したのは流石。細かさの調整機能も使いやすい場所にある。

ポーレックス ゴマミルⅡ

高品質なキッチン用品でおなじみポーレックス。スパイスミルの世界でも、そしてこのゴマミルの世界でも、早くから製品を送り出してきた。この「Ⅱ」は粗さ/細かさの調節機能を排除したシンプル&コンパクトモデル。ほかにもう少し多機能な「Ⅰ」もある。「キッチン雑貨」としてもどことなくシャレオツなデザイン。どちらが先かは分からないが、心なしか京セラ製品とデザインが似ている気がする。


アスベル セラミックミルごま用 「フォルマ」 ブラック


ミニマルでシャープなデザインと黒のカラーリングのシックなモデル。ホワイトもあるので、白ごま用と黒ごま用で使い分けても分かりやすい。細かさの調整機能もあって、なかなかの低価格というのもまた長所。

ハリオ スパイスミル ゴマ専用 ペールグレー 日本製 140ml SMG-120-PGR

2018年に登場した後発の製品。ゴマの油分が出ても詰まりにくいように工夫された刃の設計。細かさの調整機能は無し。統一感のあるペッパー/ソルトミルとコーディネートが可能。



ごまミル ホワイト KS520N-GMW


高級にして最強と呼びたいiwaki(イワキ)の製品。外側の凹凸のあるリングの部分を回す事で細かさが調整できる。統一感のあるペッパー/ソルトミルなどとコーディネートも可能。これならば海外の高級調理器メーカーのデザインにも決して引けを取らないだろう。

貝印 KAI 胡麻ミル Kai House Select セラミック 日本製 FP5162


2018年に登場した、新しい製品。スパイスメーカーの容器に近いシンプルでコンパクトなボディ。統一感のあるペッパー/ソルトミルともコーディネートが可能。細かさの調整機能は無し。