RYOBI (リョービ) 充電式ヒートベスト BHV-Bを買ってみた

RYOBI (リョービ) 充電式ヒートベスト BHV-Bを買ってみた。

1Kのマンションに一人暮らししているのだが、断熱の設計が甘いせいか、冬に結露がとても発生しやすい。エアコンの暖房を回すとすぐに結露が発生する。窓はおろか、壁際の床にまで発生する。なのでカビが発生しないように、しょっちゅう拭き掃除をしたり、窓を開けて空気を入れ替えて循環させたりしなくてはならないのだが、それらの作業が面倒で嫌になってきた。

自分の持ち家なので、壁や窓の断熱性を上げる様なリフォームをするという選択肢もありはするのだが、ここにそれほど長く住むとは今のところ予定していない。今後どう処分するのかも決まっていないので、大きな金額と手間をかけて工事をするという事は、ちょっと考えられない。

そこで、部屋全体を暖めるのをやめ、いっそ局所暖房のみにしてしまってはどうだろうか、と時折考えるようになった。一人暮らしの私なので、自分がそうしたいと思ったら、他の誰に気兼ねする事もなくそうしてしまえばいい。そんな折に、RYOBIのこの製品の存在を知った。

一般的に、建設業の現場でリョービといえば、マキタや日立工機といったメーカーに比べてちょっと安く、それだけに一段格下、というイメージが持たれている。この製品にもその点はあてはまる。マキタ製に比べると低価格で、スペックや機能は控えめだ。だが、ヒートベストという製品に限っては、それがかえって良かったりするのだ。

確かに、マキタ製のものはもっと頑丈そうであったり、ヒーターが強力だったりする。しかし、私はもっぱら家の中で使用するのが目的だ。だから頑丈さはそこそこであればよい。それに私の家の中は、寒いと言ったって建築や土木の工事現場ほど寒くはない。それよりはもう少し寒くない場所で使うので、ヒーター性能が少しばかり弱いとしても、使い物にはなるのではないか。安価な価格や、軽量コンパクトな点が魅力的に思えたので、私はそんなリョービ製品を思い切って選んで買ってみた。


ベストとパッケージを並べた写真
本当に買ってみた



結果、悪くない買い物であった。安さに加え、軽くてかさばらないという点は、家庭内で普段使うというニーズにはぴったりマッチしていた。さらに、ヒーターの性能が控えめであるという事は、裏を返せば省電力であるという事だ。この点も良かった。このリョービの製品は比較的小さくて軽量な、5VのUSBモバイルバッテリーで長時間使用する事ができる。マキタや日立の製品ならば、電動工具用のバッテリーが必要だ。USBモバイルバッテリーの方がコンパクトなうえ安価で入手しやすく、ベスト本体ばかりでなく充電器までもコンパクトで安価なのだ。ここは敢えてリョービで大正解なのだと感じた。普通に考えてみて、電動工具用のバッテリーは寸法も形状も衣服のヒーターに使うにはどう見ても向いていない。予算的にマキタ製を買えるのだとしても、敢えてリョービを選ぶという選択はあり得る。むしろ、ハードな現場で使うのでなければ、その方が良い場合が多いのかもしれない。

私の部屋は12月中旬で、エアコンを付けない状態だと室内の気温はだいたい18℃前後だ。その室内でこのベストを着用すると、寒さを感じる事なく、快適に過ごせる。ベストのヒーターの設定は、弱・中・強の3段階があるのだが、そのうちの弱で足りている。部屋に居る時の服装は、肌に近い側から、Tシャツ/長袖のアンダーウェア(発熱効果があるという冬用の機能性アンダーウェア)/リョービのヒートベスト/ジャージという服装だ。あまり着膨れずに済んでいる。


左胸の電源ボタンの写真
左胸のロゴみたいな電源マークは、そのまんま電源ボタンだった。
シリコンの様な、フニャっとした押し心地の奥にカチッとした機械式のスイッチの感触。





ベスト全体が発熱するのではなく、ヒーターは、 両胸の大胸筋の上あたりと背中の肩甲骨の間あたりだけにしかない。しかし、それでも十分暖かく感じる。

1月・2月になるともっと部屋の気温が下がり、エアコンを付けない部屋の気温は13~14℃ぐらいになる。それぐらいだとスイッチは弱では物足りず、中にする。それで十分だ。強が必要になる事はまずない。12月とは服装も少し変えるので、それも影響があるのだとは思う。長袖のアンダーウェアを厚手タイプにして、その上にベストを着て、その上にはジャージでなくフリースのジャケットを着る。スイッチを中にするのでバッテリーの消耗は確かに早まるが、汎用性の高いUSBバッテリーなので、買い足すことになっても容易だし、安価だ。10200mAhをフル充電させておくと、まる1日過ごせる。最も寒い時期をそれで乗り切れてしまうので、手軽なものだ。

 

電源ボタンが3段階に色表示する様子の写真
長押しで電源ON、以後押す度に赤(強)→白(中)→青(弱)と変化して、再び長押しで電源OFF。
迷う事なく使える簡単操作だった。





その他の細かい長所としては、次のようなものがある。

  • たたむとかなり小さくなり、しまい場所を取らない。
  • 同じシリーズで袖付きのジャケットも発売中だが、ベストでも十分あったかい。
  • 厚着をした上から着用すると、暖かさがよく分からなくなる。ある程度肌に近い部分で着用した方がヒーターの暖かさを感じやすい。
  • 両脇がストレッチ素材なので、タイトなサイズを選んでも動きづらくない。
  • 稼働中はヒーターだけでなくバッテリーもお腹の辺りでほんのり暖かくなり、そこからも温熱効果が得られる。
  • バッテリーでなく、5V・2A出力のUSB充電用ACアダプターなどを経由し、コンセントから電源供給することで長時間連続使用する事もできる。
  • 電動工具用バッテリーでなく、USBモバイルバッテリーで稼働するのは、軽量・コンパクト化と低コスト化の点で結構メリットが大きかった。
  • 洗濯できるので気持ちよく着られる

バッテリーは、Amazonで購入したCheeroのPower Plus 3というモデルを使用している。相性などに特に問題はなく、通常に動作している様子だ。10050mAhの容量だが、上の通り弱に設定して使用していると、 ほぼ丸1日持つ。


ベストに使うモバイルバッテリーの写真
使うバッテリーは普段スマホ用に使っているモバイルバッテリーでOK。



特にこれといった不満もなく、払った金額に対しては十分な働きをしてくれていると感じられる。狙い通り、このベストを着てエアコンを点けなければ、結露はほとんど発生しなくなった。窓枠にうっすらと結露する程度なので、水滴の掃除にはそれほど気を遣わなくてもよくなった。

もうひとつ変わった事といえば、寒い日でも近所のコンビニやスーパーや郵便局にちょっと出かけるのが、苦にならなくなった。「外に出てもどうせあったかい」という気持ちが働いて、これまでなら寒い日には躊躇していた外出が、ホイっとできる様になった。私は室内で着ているが、これならばキャンプで着ていても良いかも知れない。荷物としてはそんなにかさばらず、手軽に長時間暖を取れるので、秋冬のキャンプが快適になりそうな気がする。

加えて、毎月の電気代が随分安くなりそうである。電気代が安くなった分だけで、ひと冬で購入代金の元が取れてしまいかねない。全体的に、これなら「買い」と言えるものであると思った。

ひとつ注意点として、モバイルバッテリーは、2A以上の電流のものでなくてはならないので、バッテリーを買う際には仕様を要チェックだ。

2021年冬追記

最近は、バイクに乗る人の間で密かな人気だという事だ。私は着てバイクに乗っていはいないが、確かにバイクには良い選択肢だと思う。何と言ってもこの軽さと薄さはバイクに向いていると思う。バイクに乗る時は、重いものを身に着ると体が動かしづらいしなんとなく疲れるし、かさばるものや膨らむものを着ると風を受けてこれまた疲れるし、向かい風の時には進みにくいし、ミラーも見づらくなる。確かに、ヒーターを使うことで着膨れずに済むというのは、なるほどという発想だ。




そろそろロングセラーと言ってもいい、前から売っている襟付きモデル。上の記事で登場しているのはこれ。


リョービが京セラになってから発売された襟なしモデル。他の服と組み合わせやすい。しかもモバイルバッテリーと充電器までセットになって、かなりお買い得。