ひとり暮らしで最強の室内暖房は
冬の暖房は、冬の一人暮らしのひとつの悩みどころだ。 オール電化というものがひとつの流行になり、わが国の集合住宅ではオール電化の物件がずいぶん増えた。そこへ持ってきて、3.11の東日本大震災と福島の原発の災害があり、電気代の単価が高くなってしまった。かつてエコポイント制度なんてものがあり、家電はずいぶん省電力化が進んだのだが、それでも、電力量の単価の上昇分の全部は吸収し切れないのではないか。しっかり倹約するには、暖房方法そのものから見直した方が良さそうだ。 そこで色々考えに考えを巡らせて行き着いたのが、電気毛布である。部屋全体の暖房という発想は捨て去る。触れている部分だけが暖かいという、究極の局所暖房だ。普段家の中で定位置として座っているソファだとか座椅子だとかアームチェアなんかに電気毛布を敷く。そして座る。背中側が広範囲で暖かい。体感的には、こたつに匹敵する暖かさである。それでも寒い場合は、ひざ掛け等を掛ければ日本の首都圏の冬ぐらいならば寒さ対策としては十分といえるレベルだ。そして、何といっても省電力である。コタツよりもさらに省電力である。そして、コタツを買うよりも安上がりである。 ただし、欠点が無い訳ではない。コタツと同様、温かい場所を離れて動くのが辛い。 それでもこの方法にはひとつの大きな強みがある。それは窓や壁に結露が発生しないという事である。結露は、窓はもちろん、コンクリートや鉄といった躯体にも発生しやすい。これを防ぐために、新築の戸建住宅などは建築設計上は断熱材などを使って断熱の施工をする事になってはいる。しかしそれも最近の話なので、既存の建築物を実際見てみると、満足な断熱の施工がされている物件はそんなに多くない。断熱の施工が徹底される様になったのは結構最近の事だし、ひと昔前では断熱材が時間とともにずり落ちて効果が無くなってしまうなど、施工にも難を抱える場合が多かった。最近は工法や建材がずいぶんと改良されてきているが、そうして改良の進んだ施工や建材を実際に使っている物件がきちんと採用されているとは限らない。殊に賃貸物件であればなお疑わしい。オーナーはできるだけコストを切り詰めたいという事情がある。そうした事情の一方で、断熱の施工というのは、賃借で入居する一般の消費者にまでよく知られている情報ではない。借りる人はそれほどうるさくないし、...