シャワーの勢いの弱さを解決するには

シャワーの水圧の弱さを諦めるまえに

浴室のシャワーの水圧が弱過ぎる、というときには、諦めるまえにシャワーヘッドの交換を試してみるのがおすすめだ。

私は中古の1Kのマンションを買って住んでいる。いつも入浴は浴槽には入らずシャワーだけで済ませる生活をしている。もともと風呂のシャワーの勢いが弱いのが気になっていた。私はマンションリフォームに関わる仕事をしている、その道の本職であるにもかかわらず、恥ずかしながら自分自身の家に関しては勢いの弱いままのシャワーをだいぶ長く放置していた。昨年の冬に、Amazonでボーッとショッピングしている最中にシャワーヘッドが安く売っているのに気付き、買って交換してみた。思った通り、今までよりも真冬の入浴が温かく快適に感じられた。

出て来るお湯の量も温度も従来と変わってはいない。それなのに、シャワーから出てくる勢いが良くなるだけで体感的に温かく感じる様になるのだから不思議なものだ。そして温かく感じるばかりでなく、シャンプーを洗い流したりなど、身体を洗いやすくなり、毎日のシャワータイムがずっと快適になった。

そのうえ、洗いやすくなったのは自分の身体ばかりではない。風呂掃除までもしやくすなったのでさらに満足である。


Amazonでシャワーヘッドを探すと、勢いの弱いシャワーの勢いを強くするための「低水圧用」という、まさに自分の欲しいシャワーヘッドが売られている。しかも、たくさんの種類がある。価格は思っていたよりも安かった。

交換はかんたん、工具も不要 

交換は簡単だ。ネジ式の根元部分を手でくるくる回すだけだ。今売られている大概のシャワーヘッドの製品は、工具を使わなくても交換できる(メーカーによってはネジの寸法変換のためのアダプターを間に挟み込む事が必要になる事もある)。これ程までに手軽な金額で、そして気軽な取付作業だけで交換できるのだから、もっと早く交換していれば良かったと後悔した。

シャワーの勢いがアップして喜ぶ人のイラスト

シャワーヘッド交換以外に解決法は

ところで、なぜシャワーヘッドの交換なのか。マンションやアパートの部屋の水圧が弱いと感じた時に、シャワーヘッドを交換する以外にも、何らかの工夫や調整で手軽に水圧をアップさせる手段はないのだろうか。

結論から言うと、残念ながら、シャワーヘッドの交換以上に手軽にできて効果のある手段など、そう無いのだ。

とは言え、念の為確認しておくべき事が2つばかりある。

  1. 室内の止水弁の状態
  2. 水道メーター付近の止水弁の状態

これらが全開になっているかどうかを確認しておこう。

まず室内の止水弁だが、これは各器具の近くに付いている。器具の故障やメンテナンスの際に、器具の上流で止水できるように設けてあるバルブだ。マイナスドライバーを使って開け締めする場合も多い。これが半開状態だと、出てくる水の勢いが弱くなるので、確認して全開にしておこう。

水道メーター付近のバルブに関しては、引っ越しで退去する場合などに、水道メーターの上流で止水できるように設けてあるバルブだ。これも半開状態だと、出てくる水の勢いが弱くなるので、確認して全開にしておこう。

ただし、これらで解決できる確率はそう大きくない。なぜなら止水弁を半開状態にしておくというのは誤った使い方だからだ。水道局の関係者なり、水道工事業者なり、プロが作業した後は半開状態にはせずに全開の状態にしてから帰って行く。止水弁は本来は給水経路の開閉をする目的だけのものだ。とはいえ、半開状態にして流量を調整する事も、実際には可能ではある。しかし、そういう用途に設計されてはいないので、半開状態で通水させて内部に圧力を掛け続けると、破損してしまう危険があるのだ。だからプロならばそういう使い方はしない。「ひょっとすると前の住人が半開にしてあったりして」ぐらいに考えて、あまり期待しないでおこう。

基本的には、マンションやアパートの給水の勢いは、配管の経路、給水方式、ポンプで加圧する場合にはポンプの性能、高置水槽がある場合には水槽の落差などで決まる。これらについて変更を加えるには比較的大掛かりな工事が必要で、各世帯のちょっとした工事だけで変えられるようなものではない。また、給水設備は公共性が強い部分でもあるため、専門の技術者ならば誰でもメンテナンスしやすいように統一しておく必要があり、「うちだけ特別に」みたいな例外的な設計や施工もしない。だからひとつの世帯の専用部内をちょっとピンポイントで工事したら水圧が改善しました、なんて事も、残念ながら起こせる余地がない。

設備や配管の構成の他には、給水経路の内部にサビや汚れも、給水の勢いに影響する。サビや汚れが堆積すれば、それが勢いの低下につながったりはする。

給水設備に関する工事なり、配管内部のサビや汚れの除去なり、工事や作業によって給水の勢いを改善したいのならば、必然的に管理組合や大家さんに相談するところから始めなくてはならない。手間も時間もかかる上に、断られて終わってしまう可能性が大きい。

シャワーの勢いをアップさせる方法として、シャワーヘッドを交換するというのが手軽でおすすめだというのはそんな事情からだ。各バルブが全開になっているかどうかというのは、念の為に確認しておいた方が良い。しかしもともと全開になっている可能性が大きく、そしてもしも全開になっているのなら、残るはシャワーヘッドの交換だ。

賃貸住宅だからと諦めるまえに

 もっとも、シャワーヘッドを交換すると言っても、勝手に行えないケースも多い。持ち家でなく賃貸住宅に住んでいる場合がそうだ。大家さんに許可をもらわないといけない。そうするとやっぱり無理なのか、と諦めたくなってしまうかも知れない。しかし、諦める前にとりあえず大家さんに話すだけ話してみよう。

というのは、入居者がシャワーヘッドを交換するのは、大家さんにとってあながち悪い話ではないからだ。この記事を書いている私自身が、これまた不動産賃貸のオーナーでもある。私ならば、入居者の人が自費でシャワーヘッドを交換したいと言ってきたら、むしろラッキーだと思う。

大家さんの多くは、できる事なら賃貸物件に高機能なシャワーヘッドを設置したいのだ。しかしコストとの兼ね合いでどうしても低価格であることを優先せざるを得ない。そのため、付加機能の付いた製品を導入する事がなかなか難しい。入居者の人が不可機能つきのシャワーヘッドに交換してくれるというのならば、率直に言ってありがたい。

だから大家さんに相談してみると、「大家としてそのシャワーヘッドを買取りはしないけど、あなたが寄付するつもりで費用を全額負担して交換するんなら、やってもいいよ」という感じでOKしてくれる大家さんはけっこう居るのではないかと思う。

その時に「どんなものに取り替えたいのですか?」と訊かれる事もあるだろう。中国製の聞いたこともない様なメーカーの製品に取り替えるのでは、断られる危険が大きい。国内の有名な水栓メーカーの製品への交換を計画しておこう。

そして、そういう相談をしても、珍しい人だとか、変な人だという風に思われる事も無いだろうから、その点は心配しなくていいだろう。シャワーの勢いの弱さに悩んでいる人は、世の中に決して少なくはない。というのも、低水圧用のシャワーヘッドの製品はたくさんの種類が製造・販売されている。それだけユーザーが多いという事の裏返しだ。

具体的な製品はどんなもの?

実際にどんな低水圧用シャワーヘッドがあるのか。特にコスパの高そうな製品を、住まいのプロの目線で集めてみた。

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ワイドなシャワーヘッドに配置された直径0.3mmの243の穴からきめ細かく高密度に噴出されるシャワーは、勢いと共に肌当たりの柔らかさの効果もプラス。手元のボタンによるこまめな一時止水で節水効果も。メッキ仕上げで見た目も豪華に。



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