マンションリフォームマネジャー試験を有利にする持ち物
マンションリフォームマネジャー試験の製図試験の持ち物についてまとめてみた。しかも、ただ必要なものを書いただけではない。反則にならない範囲で、受験が少しでも有利になる物をピックアップしてある。この記事に書いてある事をしっかり読んで準備すれば、他の受験者よりも少しだけ有利になれる。
マンションリフォームマネジャー試験の製図の試験は、建築士試験などと比較するとそこまで難しい試験ではない。しかしマンションに限ればより詳しい理解が必要なので、油断してかかると合格を逃す事もある。特に製図試験の制限時間は結構タイトなので、悔いが残らない様に万全を期して臨むようにした方が良いと思う。
ちなみに、「マンションリフォームマネージャー」だと思っている人も多いと思うのだが、実はそれは誤りで、公式には「マンションリフォームマネジャー」と書いてある。
「何を言ってるんだ、同じじゃないか」と思った人も居るだろう。では少し分かりやすくしよう。「マネージャー」じゃなくて「マネジャー」だ。「メァヌィジュォア」だと、よりいい発音ではあるのだが、そういう表記はされていないのでそれも誤りだ。
そしてこれらの製図用品をどこで買ったら良いか、の話だが、私はアマゾンがベストだと思う。品揃えがピカイチで、しかも安い。製図用品ぐらいの単価のものは何点かまとめて買うだけですぐに2,000円を超えて送料無料になる。
リアル店舗だと、たとえ東京にある国内最大級の製図洋品店に行ったところでそんなに何種類もの中から選べるほどの品揃えはないし、定価からあまり値引きもしてくれないし、実物がどんなものかを見る事はできるけれども、結局は「家に帰ってからネットで発注しようか」なんて事になりそうな気がする。
シャープペンシル
一般の文具のシャープペンシルでなく、製図用のシャープペンシルを使うようにしよう。というのも、製図用のシャープペンシルは明らかにほかにシャープペンシルよりも明らかに製図がしやすいもので、もしもそういう使いやすいものを使わなかった結果ギリギリ不合格になってしまったときに、ものすごく後悔すると思うからだ。
選ぶ際に注目するとよいポイントには、次のような項目が挙げられる。
- 太さ─どちらかというと、太めだと優しくてマイルドな、細めだとシャープでスパルタンな握り心地が得られる。
- 長さ─短めだと、振り回している感覚が少なく、取り回しが良い。長めだと、手の大きい人でも安定して持てる。
- 全体的な重さ ─重めだと、重みを活かして筆圧をかけ、濃い線が描きやすい。軽めだと、手の力加減で線の濃淡をつけるのに適している。
- 重心の位置─重心が先端側に寄せてあると、引いている線がブレにくく安定感が得られる。重心が中心に近いと、微妙なコントロールがしやすく、狙ったポイントにペン先を運びやすい。
- 滑り止め─ギザギザの金属(ローレット)、ゴム、プラスチックの溝など様々な種類があり、それぞれ感触や滑り止めの性質が異なる。
使用頻度が高く、作業の快適性に大きく影響する道具なので、とにかく自分の手によくなじみ、描きやすいと感じるものを、よく吟味して選ぼう。また、キャラクターの異なるものを複数用意しておき、コンディションに応じて使い分けるというのも手だ。
また、図面は、全体的に線が薄くてモヤッとしているよりは、濃くてくっきりしている方が見やすくて採点官の印象も良くなりやすい。さらに、断面線は太線で描いて、見え掛かり線などは細線で描いて、といったメリハリがきちんと付いていたりなどするとなお良い。現実的には、制限時間がタイトな中で気を使いながら細い線を細き続けるのは難しいと思う。なので、細線はふつうに描いて、太線のほうは普通に描くよりも強調して、太く濃く描く事で、太線と細線との太さの対比を表現する事をお薦めする。しかし、日常的に筆圧が弱く、図面の仕上がりがどうも薄く、線が弱々しく見えてしまう人にとってはそれでもしんどい話だ。そういう場合、0.7mmだとか、0.9mmだとかの太めの芯のシャープペンシルを併用したり、さらにそれらのシャープペンシルに使う芯をHBの芯からBの芯に変更したりなどすると、太線が太く濃く際立って、メリハリの効いた図面に仕上げやすくできる。ちなみに、「シャープペンをいちいち持ち替えると時間のロスになるので、0.5mmのシャープペン1本で、手加減で太線と細線を引き分けるようになりなさい」みたいに言う人がいるが、それはあまり真に受けない方が良いと思う。というのも、終始微妙な力加減を気にして描き続けるとなると、それはまたそれで目に見えにくい、スピードダウンによる時間のロスを製図作業中ずっと垂れ流し続けていると考えられるからだ。もともと細いシャープペンシルでなんとか太くて濃く見える線を引こうなんて事にこだわっていると、一本一本の線を引くスピードは自然と遅くなってしまう。それよりも、全体的にあまり太さには気を使わずに0.5mmのシャープペンシルを使ってガンガン全速力で描いて、「ここは太線で強調したい」という部分だけ、0.9mmあたりのシャーペンに持ち替えてこれまたガンガン全速力で描いていく、という作戦ならば、あまり細かいことに気を使わなくても中線と太線の2種類の太さを使い分けた図面がガンガン描ける。そのうえで、ペンを持ち替える回数を減らすために作図手順を工夫をするなどのコツを身につければ、その方が合理的だと思う。
建築士試験でも人気のステッドラー。クールな見た目とは裏腹に、ちょっとだけ太め・短めの設計により、使い心地は意外にコンフォータブルでマイルド。
ステッドラー シャーペン 製図用 0.5mm シルバー 925 25-05
後続モデルが出てもなお、製図以外のユーザーからまでも高い評価を受け続ける、ぺんてるの逸品。私自身も普段から筆圧が弱い方で、0.9mm芯のシャープペンシルを実際に使用したところ、図面の見栄えの向上に大いに役立った。重心の先端側への偏りかたが極端でなく、全体的に軽量にできていて、狙った点に芯先を当てやすい。ブレや余計なしなりのない硬質さも心地よい。
ぺんてる シャープペン グラフ1000 フォープロ PG1009 0.9mm
HBでは全体的に図面が薄く見えてしまう私は、Bの芯を導入した。より黒い線が、図面全体をよりシャープで読みやすくしてくれる。ぺんてるの芯は質が良くなめらかで、おすすめメーカーの筆頭に挙げられる。
ぺんてる シャープペン芯 アイン シュタイン XC275B-3P 3個パック B
消しゴム
消しゴムに関しては、特に製図専用の消しゴムというものはあまり見当たらない。一般的な日本の有名メーカーの製品であれば、一般の事務用品でも十分に品質が良く、製図にも使える。粗悪なものを使うと図面を汚してしまうので気をつけよう。また、ピンポイントの修正を短時間で手軽に行える様に、部分消し用のタイプも用意できると、役立つ機会もあるだろう。
見た目も、価格もふつうのよく見かけるロングセラーだが、度重なる品質改良を経て、とにかくよく消える。今日の日本の有名メーカーの消しゴムはどれも高品質だが、実際に使い比べてみて、わずかながら、より一層よく消える製品だと思う。少し柔らかめの感触。
シード 消しゴム レーダー100 S-100-5P
細かい部分を消すのに便利なスティックタイプの消しゴム。カッターナイフの様な、クリック感のある押出機構になっている。シャープペンシルの様にノックするタイプでは傷が入った所から折れてしまうという事がありがちだが、そういうトラブルを避けるために、よく考えられた仕様である。
ぺんてる ホルダー消しゴム クリックイレーザーフォープロ
鉛筆削り
鉛筆や赤鉛筆などの色鉛筆を持ち込む人に限って必要だ。シャープペンシルと蛍光ペンしか持っていかない、という人には不要だ。ちなみに、この記事に鉛筆削りのお勧めをわざわざ載せているということは、私自身は蛍光ペンでなく色鉛筆を持ち込んだほうがいいと思っているのだ。というのも、色鉛筆にはうっかりインク切れしたり、キャップをきちんとしていないせいで乾いたり、といったトラブルが少ないという利点がある。さらに蛍光ペンでマーキングをしてしまうと濃い色が付きすぎて、読みづらくなってしまうが、色鉛筆のマイルドな色の付き方はふしぎと活字に馴染み、問題用紙が読みづらくならない。これは時間があったらどこかで試してみてもらいたい。2倍の速度で削れる二枚刃。芯が折れてしまったときに素早くリカバーできるのが長所。刃は知る人ぞ知る日本の老舗、中島重久堂製を採用。切れ味も耐久性も安心。
クツワ HiLINE 鉛筆削り 2枚刃 クリア RS030CL
定規
直定規
解答用紙の方眼に素早く合わせて水平・垂直線が引ける様な、方眼や水平目盛の充実したものがお勧めだ。ブレずに濃い直線を引くには、2mmから3mmぐらいの厚みのあるアクリル製のものが使いやすい。線をを引くのと垂直方向にミリ単位の目盛りが付いていて、解答用紙のグリッドに簡単に合わせられる。この試験にこんな目盛りの付き方の定規を持ち込んだら、それは有利に決まっている。
ステッドラー 定規 方眼 カッティング 20cm 962 08-20
作図順序を工夫して、定規をなるべく動かさないといいう作図スタイルの人にお勧めの、長めの30cm。
ステッドラー 定規 方眼 レイアウト 30cm 962 05-30
三角定規
作成する図面のサイズを考えると、18cmから24cmぐらいのものが適していると思う。30cmのものなどは一気に長い直線が引けて便利な様な感じもするが、それぐらい大きくなると動かす際にもたついて時間のロスが生じる。大きすぎるものは避けたほうが良いだろう。そして直定規と同様、方眼の入ったものは答案用紙のグリッド線に合わせやすく便利だと思う。ところで、公式の「受験の手引き」の写真に乗っている様な学童用のペラッペラのものはあまりお勧めしない。安定した線が引きづらいうえ、デスクや答案用紙の上から持ち上げにくく、扱いづらいからである。2mmだとか3mmだとかのしっかりした厚みのあるアクリル製が使いやすいと思う。
この試験では圧倒的に便利な、方眼目盛りつきの三角定規。解答用紙のグリッドに容赦ないスピードでどんどん位置を合わせて、爆速で作図をしてしまおう。
ステッドラー 三角定規 製図 セット レイアウト用 24cm 966 24
1/500の目盛りが付いているという事は、1/50の図面にも流用できるということ。つまり、わざわざ三角スケールに持ち変える事なく、この三角定規だけでどんどん距離を測定しながら線を引けて、サクサク製図が進んでしまう。もともとは土地家屋調査士試験向けの製品だが、こういう道具を賢く流用してしまうのも頭の使いどころ。
ウチダ 三角定規 24cmx2㎜ 縮尺目盛付

三角スケール
作成する図面のサイズを考えると、15cmのものが丁度良いだろう。大きいほうが安心という人は、30cmのものでも良いと思う。素材には主に樹脂製とアルミ製がある。樹脂製には若干の柔らかみが、アルミ製には硬質なシャープさがあり、好みが分かれる。樹脂製のものは、目的の縮尺を見つけやすい様に3色のカラーリングが施してあるものが多い。アルミ製には、コンパクトに収納できて見た目にもお洒落な超スリムなものもある。また、消しゴムのカスが付着しても化学反応による損傷が起こりにくいという強みがある。
柔らかみのある使い心地の樹脂製。中央の三色のラインが、目的の縮尺を見つけるのにとっても便利。
シンワ測定 三角スケール 建築士用 B-15 15cm 74961
スリムな外観はお洒落なだけでなく、ペンケースに入れて持ち歩くにもコンパクトで機能的。白と黒の二種類のカラーが選べるのもこだわりポイント。
ステッドラー 定規 三角スケール アルミ 0スタート 黒 561 7-9
テンプレート
円・楕円・三角形及び四角形のものとされている。1枚でこれらの図形を描けるものでも良く、それぞれの単独の図形が描けるものを複数枚使っても良い。ただし文字や六角形までも描けてしまうようなものは使用禁止なので、うっかり買わない様に気をつけよう。
円に関しては、よく使うのはドアである。1/50の平面図でテンプレートを使ってマンションの室内ドアを記入するには、直径20mm前後という、テンプレートとしてはちょっと大きめのサイズの円のバリエーションが欲しいところだ。それよりもっと小さいサイズの円もあると、チェア、スツール、換気扇、加熱調理器などを描くときに活用できる。
楕円に関しては、便器や洗面器を描く際に活躍するが、他の部分に使う事はほとんどない。なので、長手の寸法で14mm前後までのサイズがあれば十分である。
三角形に関しては、ほとんど出番がないので、あまり考えなくて良いだろう。
四角形に関しては、洗濯機用防水パン、 冷蔵庫、ダイニングテーブル、ソファ、ベッドサイドのテーブル、エアコンなどに活用できる。また、40mmの正方形があればベッドも描けて便利だが、なかなかそういう製品は無いし、持ち込むテンプレートの枚数があまり増え過ぎるとそれはそれで使い分けの手間が増えるというデメリットもあるので、そこは諦めて普通の定規で描いている人が多いといえば多い。
ところで、建築士試験用のテンプレートのほとんどは、円+楕円+正三角形+正方形」の組み合わせであり、流用しやすい。ただし、建築士試験では1/50ではなく、二級で1/100、一級で1/200の平面図を描くので、小さめのサイズにしか対応していない製品が多いことも考えられる。マンションリフォームマネジャー試験で必要な1/50平面図で使うようなサイズの図形が描けるかどうかを確認するようにしよう。
個人的にお勧めなのは、「小さめの円+楕円+三角+四角の4種類組み合わせテンプレート」+「大きめの円が描ける円のみテンプレート」 の2枚使いだ。
楕円、三角形、四角形はこれで十分。円は、もっと大きいものが描けるものをもう一つプラスすると良い。
ステッドラー テンプレート 組み合わせ 定規 976 03
円のみのテンプレート。1/50の平面図でドアの軌跡を描くのにちょうど使えるサイズの円が完璧に網羅されている。
製図 円テンプレート定規003-001
字消し板
かつては樹脂製のものもあったが、最近は見かけなくなってしまった。今ではステンレス製のものが一般的である。ソリッドなタイプとメッシュのタイプがあり、メッシュのものは若干高価だが向こう側が透けて見えて便利だ。
下の線が透けて見えるメッシュタイプ。使いやすい図形が揃っており、コスパはピカイチ。
ステッドラー メッシュ字消し板
製図用テープ
「ドラフティングテープ」という製品名が一般的である。それほど種類は多くないので、有名なメーカー製のものを入手しておけばよいだろう。練習から本番までを通じて、それほど大量に消費するわけではないので、人によっては大巻のものを一本使い切らない人も居るかも知れない。近所の文房具店などでは売っていない場合も多い製品なので、紛失に備えてあえて小巻のものを複数買っておくとか、メインで使う大巻のものにプラスして小巻の予備を用意しておくなどの買い方がより現実的だと思う。また、アマゾンで「ドラフティングテープ」と検索すると何故かメンディングテープが結構上位の検索結果に表示されるのだが、メンディングテープは全く別種の製品なので間違って買わない様に気を付けよう。メンディングテープというのは貼ったあとに剥がすという事を想定した製品ではないので、貼ってしまうと、剥がしたいのに剥がれないという事になってしまう。
ドラフティングテープは、貼ってから、製図が済んだあとできれいに剥がせるように、粘着力をちょうどいい程度まで弱くし、またのりやテープが残りにくいように作られた製品だ。
ドラフティングテープには、そんなに多くの種類の製品はない。定番の、ポストイットでおなじみの3M製は安定した使い心地。思い通りに手で切りやすいのに、変にちぎれたりしにくい。
3M スコッチ マスキングテープ ドラフティングテープ カッター付 紙箱入り 12mm×30m 230-3-12
ハケ
消しカスやシャープペンシルの芯のカス(特に芯が折れた時など)を払うのに使う。手で払うと図面が汚れてしまう場合でも、ハケをつかうと図面を汚さずに済む。大きなものは広い面積が一気に掃除できて便利だが、会場の机のスペースが狭い場合に邪魔になってしまうかも知れない。マンションリフォームマネジャーの試験の製図のサイズでは、小型のハケでも問題なく対応できるだろう。
安価なコンパクトタイプ。A3サイズの図面ならば十分であるうえ、スペースが狭い試験会場でも邪魔になりにくい。
ドラパス 製図用ブラシ ミニブラシ 8cm 17004
卓上計算機(電卓)
マンションリフォームマネジャーの設計製図試験では、それほど複雑な計算は行わない。行う計算と言えば、足し算・引き算を始めとした寸法の計算と、採光と換気の計算ぐらいだ。しかも採光補正係数を求める計算まではしない。関数電卓ならではの機能まで使用するような場面は、まずない。試験に適しているのは、ブラインドタッチがしやすいシンプルな電卓だ。ルートのキーがあって、MCとMRがそれぞれ独立しているものがより良いだろう。あまりにも安物だと、キーの反応が悪くて時間をロスしてしまう。予算があれば経理マンが使う「本格実務電卓」と呼ばれる高級モデルが理想だが、そこまでの予算がかけられなくとも、せめて聞いたことのないメーカーの安物はやめて、有名メーカー製の製品を選ぶのが無難だ。
必要なスペックを満たしていて安く手に入るものといえば、こんなもの。今日では信頼性No.1のカシオ製。打ちやすいプラスチックキーで、MCキーとMRキーが別々。これぐらいのもので練習すれば、試験の本番でスピーディーな計算ができる。
カシオノート型電卓 SL-302CL-N
問題チェック用の蛍光ペンまたは赤鉛筆
個人的には、「消しゴムで消せる赤鉛筆」がベストだと思い、愛用している。蛍光ペンでもまるっきりダメではないと思う。ただし蛍光ペンの場合は、キャップが外れて乾いて書けなくなってしまったり、突然のインク切れが起こったり、というトラブルも考えられる。それに対して赤鉛筆の場合はそういったトラブルが少ない。さらに、消しゴムで消せるタイプの色鉛筆にしておけば、間違って書いてしまった部分をきれいに消す事ができる。
個人的には、蛍光ペンよりも赤鉛筆が良いと思う。ペンではうっかりキャップが外れていて乾いてしまうだとか、インクがらみの事故も起こる。消しゴムで消せる赤鉛筆というものがあり、それを使うと不要な部分を消せるというのはメリットが大きい。また、蛍光ペンほど色がドギツくなく、色合いが答案用紙に違和感なく馴染んで、線を引いた問題用紙が読みづらくなりにくい。軸が6角形で転がりにくいのもポイント。
ステッドラー 消せる赤鉛筆 セリース入り2本セット 14450-2PP2