海外の高級ブランドを上回る日本のカバンメーカーの品質

エースのバッグとの出会い

私は毎日ブリーフケースを持ち歩く。仕事は何度か変わったが、毎日ブリーフケースを持ち歩く事は変わっていない。これまでに色々なブリーフケースを使ってきた。

毎日使う商売道具なので、少しばかりお金をかけて高い製品を使ってみたりもした。

例えばCOACHだ。しかし本革なだけに重くて、メンテナンスが面倒なので使わなくなってしまった。

ゼロ・ハリバートンは持ちづらさと中身の出し入れの不便さとで使わなくなってしまった。

TUMIは、けっこうすぐに内張りがボロボロになってしまった。

壊れるまで使ったものも、壊れる前に使うのをやめたものもあったが、長く使ったものでせいぜい2年ぐらいだった。

そんな私が、衝動買いに近い買い方で手に入れ、気がつくと7年使い続けていたブリーフケースがある。それはかばんのエースのバッグだ。

そのバッグを見つけたのはデパートだった。

たまたま目立つ場所でセール販売していたので、ふと手にとって見た。予想外の軽さに驚いた。一気に興味が湧いて、あちこち眺め回した。ナイロン生地の光沢、縫製の精密さ、使用しているパーツの質の良さと、見れば見るほど良さが見つかる。すぐ隣にある世界的高級バッグのメーカーの製品と比べてみると、どう見てもエースの製品の方が仕上がりが良い。驚いた。当時海外ブランドにばかりカブれていた私にはショッキングでもあった。一旦冷静になる為にトイレに行った。しかしエースのバッグの衝撃は頭から離れなかった。売り場に再び戻り、エースの製品と他のメーカーの製品をもう一度よく見比べた。やはりエースの方が良い仕上がりに見える事に変わりはなかった。

私はようやく落ち着き、考えを整理した。きっと私はこれまで勝手な思い込みを続けてきたのだ。価格が高く、世界的に有名なブランドの製品こそ優れた製品で、それよりも安い製品はみんなそれよりも劣るんだという思い込みだ。ブランドの知名度もネームバリューも一旦忘れて、価格も忘れて、純粋に品質だけを比べたら、エースの製品のほうが質の高い物づくりをしている。そんな事を知りもせず、調べた事すら無かった。

セールで半額以下だったこともあり、これはいい買い物だと、大喜びで買って帰った。その日デパートに行くまでは、エースのバッグが欲しいなんて思った事もなかったし、エースなんていうメーカーを知ってはいたものの、その製品をよく見た事すらなかった。家に帰り着いたら、童心に帰ったように買ってきたバッグを何度も眺めた。それからあっという間に7年間だ。そのうちの2年間は、外国で一緒に過ごした。

買ったのは、プロテカというラインのものだ。今ではプロテカというラインにはスーツケースしか無い様だが、当時はブリーフケース等のやわらかいバッグもあった。売り場にはエースジーンという製品もあり、はじめに強烈な軽さに驚いたのはそちらだった。しかしエースジーンの製品は私にとって持つのを躊躇する様なものだった。何と言うか持っている人が神経質でナルシストに見えるかの様なデザインだった。隣に売っていたこのプロテカのバッグは、ずっとシンプルなデザインで持つのに抵抗がなかった。むしろ好きなタイプのデザインだった。エースジーンほどの軽さではなかったものの、それでも他の有名海外ブランドのバッグよりも圧倒的に軽かった。素材やステッチやパーツを見て感じる品質の良さはエースジーンに引けを取らなかった。エースジーンより少し安かった。トータルで判断してプロテカを選んだ。

エースのバッグの特徴は

世の中に高級なブリーフケースは色々ある。エースよりも高価格な製品など、いくらでもあると言ってもいい位だ。しかしガチンコで品質の比較をしたなら、果たしてエースに勝てるメーカーがどれ位あるだろうか。決して大げさでなく、エースのバッグの品質はそれぐらいのものだ。

具体的にどういう部分に品質の良さを感じるかというと、こんなにある。

• 軽い
• 生地が丈夫
• 縫製の精度が高い
• 質の良いパーツを使っている
• ジッパーの動きがスムース
• ストラップの取り付け部分が頑丈
• グリップやショルダーストラップのフィット感が良い
• ショルダーストラップが長すぎたり短すぎたりしない

これだけの良さを備えたバッグは、高価格な有名ブランドのバッグでも、なかなか無いものだ。

でも、全てにおいて完璧だとは思わない。

少しばかり気に入らない部分もある。

• ポケットが多すぎる
• デザインが悪い

ポケットは関しては、私は通勤用のブリーフケースならばノートPC用の収納スペースの他に、A4サイズが入る大きなポケットが1つと、財布ぐらいのものが入る小さなポケットが2つあれば、最低限十分だ。プラスアルファでもう1つか2つもあれば、私にとってはもう完璧だ。それより多いと、使うポケットを間違えたり、持ち物をどこのポケットに入れたのか迷子になったりするので厄介だ。今のエース製品は、ポケットの数が多すぎるので、もう少しポケットの数を少なくして、そのぶんひとつひとつのポケットを厚い生地で作ってくれたりなどしてくれたら私にとってはありがたい。

デザインに関しては、悪い意味で独特なものが多い。グローバルに通用する雰囲気でもなく、幅広い服装に合うものでもない。妙にハイテク臭い。目の詰まった光沢のある生地だけでコーディネートしたような、モダンなシュッとしたビジネスウェアだけにしか合わない様な、ものすごくコーディネートの幅が狭いような雰囲気だ。カジュアルで持つことははじめから諦めて、ビジネスウェアだけで考えたとしても、ツイードやフランネル、あるいはオックスフォード等といったざっくりした生地の、ビンテージ感のある服装だったら、馴染まない様なデザインが多い。

デザインに関しては海外のメーカーを見習って、もっとおおらかなデザインで、ジーンズの時などにも持てる様なものが増えたらいい。

再びエースのバッグを買う

さて、気に入っていたエースプロテカのバッグだが、7年も使うとさすがに布地が摩耗して傷んでしまった。愛着があって残念だけれど買い換えるしか無い。

後任のバッグはもう迷う事なく、エースの製品から選んだ。「イオス2」というシリーズの製品だ。

あたらしいバッグもまたエース

このイオス2というシリーズのブリーフケースは、エースのバッグにしては珍しく、妙なハイテク臭さの無い、シンプルで一般的なデザインだ。これなら色々な服装に合わせられそうだ。先代のプロテカのバッグも、エースの製品の中では異色な、シンプルでクセの無いデザインの製品だった。2代続けてこんなシンプルなデザインのバッグに出くわす事ができて、運が良かった。新しいイオス2のバッグは、バリスティックの様なリサイクル素材の生地に、車のシートベルトの様な素材を組み合わせたもので、丈夫そうだ。カラーは、オリーブドラブに近い色だ。これまで使ってきたプロテカのバッグは黒で、このイオス2のカラバリでも引き続き黒を選ぶ事はできたのだが、敢えてこんな色を選んだのには理由がある。

最近は通勤時の服装が「ビジネスカジュアル」という事になったので、特別な日に多少フォーマルな服装をする以外には、ブリーフケースではなくてバックパックをメインで使うようになった。日常的には、バックパックの方がどうしても使いやすいのだ。しかし私はどうしても、夏場にバックパックを背負う事ができない。日本の夏の蒸し暑さでは、背中に汗をびっしょりとかいて雑菌が繁殖しそうだからだ。なので夏の間だけはバックパックの出番は休みで、代わりにブリーフケースを使う。だから今の私にとってブリーフケースは、夏用のバッグという位置づけでもある。

そんな暑い夏の時期に使うバッグは、真っ黒だとちょっと嫌なのだ。真夏の照りつける日差しの下で持ち歩くバッグが真っ黒というのは見た目にも暑いし、日光に当たると実際に熱くなる。そこで、夏場でも多少暑苦しさを感じにくい色で、しかもビジネスに無難で幅広く服装と合わせやすいアースカラーの、こんな色にしたのだ。夏以外の季節に出番があったとしても、違和感がある色ではない。

世界で見たエースのバッグ

私は仕事で外国に2年間駐在していた事がある。現地製のブリーフケースの製品もあった。それらはエースのバッグよりも安かった。安いぶん品質がよく無かった。

現地では、エースの製品は、スーツケースならばデパートに行けば売っていた。同じエースの製品でも、ブリーフケースなどのバッグは見かけなかった。

デパートでは、トゥミやサムソナイトなどの製品ならば手に入った。それらは日本で買うよりも価格が高かった。私はそれらのバッグを見るたびに思った。「日本に行けばこれよりもよっぽど安くて高品質なエースのバッグが買えるのになあ。」そして日本から持ち込んだ自分のエース製のバッグに一層愛着が湧いた。このバッグの代わりは、この国では簡単には手に入らない。

そんなエースのバッグも、ここ日本に帰国した今ではどこでも手に入る。品質はトゥミやブリーフィングなどの世界的な高級バッグに負けていないし、大半のモデルはそれらより安い。日本は、エースのバッグが簡単に手に入る素晴らしい国だ。そしてエースは、日本だけで簡単に買う事のできる、奇跡のようなバッグだ。私はそんな日本の素晴らしさも、エースのバッグの素晴らしさも、多くの日本人に伝えたい。

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今回買った「エース　イオス2」とは?

私が今回買ったのはこれ。ちょうど安くなっている時に買えた。色は他にブラックとネイビーがある。

[エース] ビジネスバッグ A4・13インチPC収納可 2気室 メンズ 58137 

小脇に抱えて持ち運びたい人には、同じシリーズでビジネストートもある。色はブリーフケースと同じ3色展開。
[エース] ビジネストート トートバッグ A4・13インチPC収納可 58136 



これもなかなか幅広く使えそうなデザインが気に入って、とても迷った。これも3色展開。
[エース トーキョー] ショルダーバッグ レイリップ エキスパンド機能 セットアップ機能