TONE BRS20シリーズの購入レビュー

TONE(旧前田金属工業)のBRS20という工具セットがある。

この工具セットが信じられないコスパだ、という話をしたい。

TONEについては、モータースポーツに興味のある人などはよくご存じだと思うが、プロユースの高品質な工具メーカーだ。私の働いている建築業界でも、モンキーやプライヤーなどの製品は設備工事などで使われる。

ドライバーや六角レンチといった工具は、仕事で使う技術者はもちろんだが、そうでなくても家事の延長みたいなもので、出番はそれなりにあるだろう。

このBRS20は、ちょうどそんな、家庭でも使いそうなハンドルとビットがセットになったものだ。ビットはドライバーや六角レンチを中心に、トルクスレンチやエクステンションバーもセットになっていて、これだけあれば一般家庭はもちろん、プロの作業にもかなり色々対応できるだろう、という内容だ。もちろん、足りないものがあれば、別売りの必要なビットを買ってきてハンドルに装着するという事も可能だ。

そしてこの工具セット、何が優れているのかというと、ハンドルがすごく良くできている。ラチェットの送り角度が6°、つまり山数が60枚だ。その仕様だけでもすごいのだが、ガッチリした質感で制度が高く、使い勝手がとてもスムースで、とにかく手にとって扱ってみた感触から何から、クオリティの高さが注目に値する。それをTONEはなぜこんな安い価格で売っているのか。他のメーカーで同じぐらいの品質だったらもっと高くても全然おかしくない。そもそも、ここまでの品質のものを作れるメーカー自体が限られているのではないか。あのKTCでも、六角ビットの製品は必然的にもっと送り角度の粗い板ラチェットのラインナップになってしまう。Ko-kenには同じ様な製品が見つかったが、価格がずっと高いし、送り角度の情報が明らかにされていない。

誰がどう見ても、この品質でこの価格ならば、TONEを買うのが得だろう。というよりも、もはや買わなけりゃ損、の領域だ。

さらにこのBRS20に関して言うと、通常はプラケース入りなのだが、毎年のセール期間に合わせて、限定バージョンのメタルケース(鋼製ケース)入りのものが限定発売されるのだ。しかも鋼製ケースに入っているからと言って、値段が高い訳でもない。そしてこの鋼製ケースのカラーが毎年変わる。直近はこんなカラーリングだ。

2022: ブラック   (型番BRS20MBK)

2021: ブルー  (型番BRS20MBE)

2020: ホワイト (型番BRS20MW)

私は昨年2021年バージョンのブルーを買った。工具箱らしい、なかなかいい深みのあるブルーだった。ちなみに、あまりに良品だと感じたので、隣の県に住んでいる兄弟の分も買ってプレゼントにして贈ったほどだ。今年のブラックというのもまた落ち着いた感じでいい。ブルーを持っているにもかかわらず、つい欲しくなってしまう。

メタルケース(鋼製ケース)入りの外観写真

ケースを開くとこうなっている。よく使う+-のドライバービットは、2つずつ入っている。まあ、ダメになったり失くしたりしても、ビットだけ買うのならば安上がりだ。個人的にはベッセルのビットなんかを差せばコスパがいいと思う。

メタルケースを開けた状態の写真

ビットを装着した状態がこれだ。精度が高く、気持ちよくスコンと入る。そして外すのもスムースだ。勝手にポロリと取れたりもしない。

ラチェットに+ドライバービットを装着した状態
そしてエクステンションバーもセットに含まれている。このエクステンションバーがまたマグネットが仕込んであって、さらに仕事が丁寧な事に中間にあるノブを操作する事で磁気を切ってスムースにリリースする事ができる。
エクステンションバー使用時の写真
こういう品質の工具がこんなに安く手に入るってのは、日本人の特権だと思う。最近は日本以外だと台湾やタイの工具にも相当コスパの良いものがあるが、流石にここまで高品質のものは見かけないし、仮にそれらの国で同じぐらいの品質のものを作っているのなら、もうここ最近では日本のメーカーの工具とそんなに変わらない値段になっていると思う。
当面は、毎年恒例でこの時期に発売されるのだろうけれど、年中いつも売っている訳ではない。なので、こういう工具セットがちょうど欲しいと思っている人は、これを買っておく事を強くおすすめする。後になって買ってよかったとは思っても、買って失敗したと感じる事はまず無いのではないか。そしてもし買わなかった場合には「あの時買っておけばよかった」という事は大いにあり得るだろう。





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