ONE PIECEのキャラはなぜかわいくないのか

 尾田栄一郎先生によるONE PIECEのキャラはあまりかわいいと感じないという人が多いと思います。だからといってブスという話ではありません。バランスが取れていていわゆる美人ではあると思うのですが、かわいらしいという感じが少ないという話です。いわゆるクール・ビューティーと呼ばれるタイプが多く、大人びている、中性的である、人懐っこさが少なくサバサバしていそう、などの印象があります。ネガティブな表現だと「目が笑っていない」と言われたりするタイプです。この印象は、多くの人が同じ様に感じているのではないかと思います。

例えば同じ漫画やアニメのキャラクターでも、鳥山明先生や江川達也先生のキャラはもっとかわいらしく、愛嬌のある感じに見える気がします。しかしONE PIECEのキャラクターでは、ヒロインの位置づけのキャラクターであっても同じ様なかわいらしさを感じさせる事はなく、タイプやテイストが異なって感じます。

その印象の違いがどこから来ているのかというと、キャラクターの目の図形的な形状の違いから来ていると私は分析しています。まとめると下の図の通りです。




目の上下のラインのカーブが決め手ではないかと思います。

ドラゴンボールなどは左のタイプ、ONE PIECEなどは右のタイプの画風の典型です。

これは漫画やアニメばかりではなく実写の世界でも当てはまります。実際の人にはなかなか漫画やアニメほどはっきりした違いがあるわけではありませんが、どことなくかわいらしい顔に見える人は微妙に目の上側のラインのカーブが強くて目の下側のラインが直線的、どことなくクールに見える人は目の下側のラインのカーブが強いという傾向が確かにあります。

分かりやすいところで言うと上戸彩さんや秋元真夏さんは左のタイプ、白石麻衣さんや川口春奈さんは右のタイプです。前者は「いつも笑顔」と言われる事が多く、後者は「美人だけど目が笑っていない」と言われやすい人です。

まず人間にはおそらく、ニコニコと笑顔の人に対してかわいい、人懐っこいと感じる心理があるのだと思います。反対に真顔の人は何かしらの警戒感を感じさせ、かわいいと感じにくいのだと思います。調べてみると日本心理学会のウェブサイトには、泣いている赤ちゃんよりも笑っている赤ちゃんのほうがかわいく感じるという情報が載っています。きっとそれと関係があります。

普段から左のような形の目の人でなくても、笑顔になると目の下側のラインが持ち上がって左側のような目の形になったり、あるいは上寄りにカーブしたりする人は多く、それがニコニコした印象を与えます。もともと目の下側のカーブが強い人は、笑顔になって目の下側のラインが多少持ち上がってもまだ下寄りのカーブが残る場合があります。それが「目が笑っていない」の正体ではないかと思います。あくまで見ている側が図形的な形状を見て笑顔なのかそうでないのかを判断しているのだろうと思います。本人の内面が外側からも透けて見えるみたいな事ではおそらくないのでしょう。

ですからこれをふまえると、キャラクターデザインの際に「どの程度かわいらしいキャラにするか」を調整したければ、目の上下のラインのカーブの形状でかなりコントロールできるのではないかと思います。


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