通勤にグルカサンダルを履き始めた

今年2023年の梅雨明けから、通勤にグルカサンダル(カメサンダル)を履き始めてみました。履き始めてから数週間が経ちました。


私の職場では、オフィスカジュアルの服装と指定されています。そんな職場の中で私の服装は、いくらかカタいほうです。なぜなら、ある程度の歳のおじさんになると、許される範囲だからとはいえ目一杯カジュアルな服装で仕事しているよりも、少しばかりカタめの服装をしている方が人から信頼してもらえそうな気がするからです。私の通勤スタイルはイージーケアのワイシャツを来て、ウォッシャブルのスラックスを履いて、警備ユニフォームのウォッシャブルネクタイを締めて、ウォッシャブルのトロピカルやシアサッカーのジャケットは暑くて常に着てはいられないけれどもとりあえず片手に持って、というものです。

そして足元は、今まではローファーでした。ローファーだって、浅くて、履き口が広くて、夏に向く靴のひとつだと思うのですが、それすら履いているのが辛いと感じるのが今年の夏です。それだけ気温が高いせいなのか、私自身が加齢により衰えたせいなのか分かりません。とにかく、全体的な服装は今までと変わらないものの、靴だけをローファーから風通しの良いグルカサンダルに変えてみました。

私が「もう革靴なんか履いていられない」と思い始めたのは、今年の梅雨に猛暑が始まった頃の事です。思ったまでは良いのですが、だったら何を履くのか、という問題に直ちに直面しました。そこでぼんやりと、おじさんが夏に履く革靴とサンダルの中間みたいな、風通しの良さそうな履物の存在を思い出しました。最近は見掛けないけれど、私が子供だった昭和末期~平成初期にかけて、近所のちょっと品のいいおじさん達が夏場に履いていたような気がします。「あの履物は、今はもう売っていないのだろうか。」気がつけば、自分がそんなものを履いたっておかしくはない40代です。この暑さがラクになるのなら、見た目のおじさん臭さなんて喜んで受け容れます。とりあえずネットで検索してみました。

するとその履物はすぐに見つかりました。しかも、3-4年前から流行っているらしいのです。ビックリです。やはり近年の夏の猛暑のせいで、私と同じような考えを持っていた人が既に多かったという事なのでしょうか。グルカサンダルという呼び方も、カメサンダルという別名がある事も知りました。ファストファッションブランドも発売していたりします。私の生活圏内の下町エリアでは履いている人に気づいた事がありませんが、渋谷や銀座にでも行けば、好んで履いているお洒落な人たちがきっと居るのでしょう。

早速ネットで発注し、履いて出勤してみました。ふだんの服装や用途との相性を考えて、ヒールカウンターのある、革靴に近い外観のものを選びました。職場はドレスコードが厳しくないので、サンダルとは言えこれぐらいきちんとした雰囲気の履物であれば問題ありません。組み合わせ的にも、ふだんの通勤の服装にも違和感なく馴染んで、職場の人からも何も言われません。子供の頃の記憶があって、すごくおじさん臭いのかな、なんて思っていましたが、そんな事もありませんでした。素足に履けばちょいワルな雰囲気が出そうなものの、私はちょいワル的な雰囲気が好きではありません。なので、あえて靴下の上に履いています。それはまたちょうど私が狙っているようなナードな路線の、いい味が出ていると思います。

もともとグルカサンダルはイギリスと協力関係にあったネパール人精鋭部隊の兵士たちが履いていたのがルーツだと言われています。涼し気な雰囲気のなかにきちんとした雰囲気が感じられるのは、そのせいなのかという気もします。東南アジアやインドに行って、現地のビジネスマンがグルカサンダルを履いていたら、なんか異国情緒があっていい雰囲気だなあ、と感じそうです。ちょうどコロナ禍が明けて外国人観光客が一気に増えた今ですが、彼らがこの蒸し暑い夏の東京で、私のグルカサンダルを見てそんなアジアの一角の異国情緒を感じてくれたらいいな、なんて勝手に思っています。ちなみに、私は数年前にバンコクに駐在し、周辺の国々にも度々出掛けていましたが、現地のビジネスマンたちはグルカサンダルではなくふつうの革靴を履いていましたので、これは私の勝手な妄想です。

肝心の履き心地ですが、すこぶる快適です。風通しが良くて蒸れないのは、まさしく期待通りでした。サンダルという呼び名ではありますが、履いた感覚としてはサンダルを履いている事を忘れてしまうぐらい、靴っぽいです。靴のうち、力がかからない部分を選んでくり抜いたような構造なので、靴に近いフィット感覚なのだと思います。脱げそうになったり、カパカパしたりはしません。目の前の青信号で渡れるように走るのも、全く問題ありません。そうでありながら革靴よりも軽く、アッパーがいい意味でグニャグニャなので、革靴を履くよりも足がラクです。実際に履いてみた快適さは想像を上回っていました。こんなのだったら、もっと早くから履いていればよかったです。

今回は試しという事もあって、安いものを買いました。国内の町工場のような靴メーカーによる製品です。こういう製品がまた、よく出来ていて履きやすいのです。もしこのサンダルを履きつぶしたら、次に買うのもこれと似たような製品がいいかな、なんて思っています。

残念な事ではありますが、夏の東京のこんな狂ったような暑さは、もう収まってくれたりはしないのでしょう。これからもっと暑くなってしまうかも知れません。そんな東京の夏に、グルカサンダルを履いて通勤する習慣は続いて行きそうです。











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