AmazonのCMが再び意味不明路線に復帰

Amazon プライムCMの2024年最新CM動画「アーバンジャグル編」が各種のメディアで放送中です。

内容は概ね次のようなものです。

新しい住まいであるマンションに引っ越してきたばかりであろう若い男性が、真っ暗な部屋の中、テレビでドラマを観て、急に思い立ったように植木や園芸用品をスマホで発注します。そして電気を点けない部屋でせっせと鉢植えの作業をします。と思えば、急に激しく落胆します。落胆の原因は、よく分かりません。しかし、何らかの園芸用品を発注し忘れていた事なのかも知れないと匂わせるような雰囲気があります。だとすればまるでつり合わない、ものすごく重大な事が起きた時のような、実に悲壮感あふれる落胆ぶりです。そして最終的には、どう見ても植物をたくさん置き過ぎた部屋が完成します。しかしここでこの男性は、こりゃ失敗、というおどけた表情を見たりなどする事なく、まさかの満足そうな表情を見せるという、オチの無いままCMは終了します。はじめから終わりまで、リバーブの効いたどこかしら神秘的なBGMが流れ続けています。


待っていたのはこの感覚です。これこそが、最近のAmazonのCMの真骨頂です。謎めいていて、都会の孤独感を煽り、見ている者に精神的な肌寒さを感じるような、不安感を残すCMです。

最近、Amazonで調理器具を買い、様々な料理をして、会社の弁当にも凝った料理を作るようになる人の、特におかしくもなくてわかりやすいストーリーの、こう言ってはなんですが随分とまともになったCMが流れていました。それを観て、「AmazonのCMはもう普通になってしまったのか」と、ある種の寂しさを覚えてしまっていたところでした。

そこでまさかの原点回帰を果たしてくれました。Amazonらしさ全開の、これぞ真骨頂といえるような最新CMです。今年の秋の楽しみがひとつできました。