中華ヘッドセット「G2」を入手

未知なる中華のBluetoohステレオヘッドセットを入手

廉価な中華のBluetoothステレオヘッドセット「G2」を入手しました。こんな製品です。

G2の製品とパッケージの写真

自転車で安全に使用できるステレオヘッドセットが欲しかった

ちょっと前から、仕事の拠点の地理的な事情で、自転車でけっこうな距離を頻繁に移動するようになりました。移動時間もそれなりで、馬鹿になりません。移動だけで時間を消費してしまうのがもったいなく感じるようになりました。そこで、移動しながらちょっとした打ち合わせ的な電話を何本かでもこなしてしまえば、多少は仕事の能率が上がるのではないか、なんて事を考え、Bluetoothの片耳ヘッドセットを初めて買って使い始めました。思った以上に効果があり、ヘッドセットは無くてはならないものになりました。

そのうち、両耳ステレオで聴けて、ある程度高音質なものだったらもっといいのに、思うようになりました。そうすれば電話で通話するだけでなく、殺風景で変化の少ない道を長時間走るときのBGMとして音楽を聴けて気晴らしにもなるんじゃないか、という気がしたからです。

それでとりあえず、そういう仕様の安いものをひとつ買ってみようという事で、このG2を買いました。自転車に乗りながら使うので、この製品が持つような、耳の穴を塞がずに、周りの音を聴くことができるという特徴は、交通安全のためになくてはならないものでした。

Amazonでよく売れているらしいモデル

たまたま、聞き慣れない中国発の並行輸入サイトで、この安いヘッドセットが見つかりました。正直、怪しげな感じはありました。しかしそれも含めて面白い気がしたので、買ってみる事にしました。納品まで結構日数が掛かりました。もう届かないかも、と覚悟しかけた頃、届きました。届いてから調べてみると、Amazonで「Earaku(イアラク) 2025版」という製品名で、iitrust(アイアイトラスト)という出品者から販売されているものと外観がそっくりです。おそらく、実質的に同じ製品なのではないかと思われます。Amazonで売っているのなら、Amazonで買えばもっとラクでした。でもまあ、ちょっとだけAmazonよりも安く買えたので、良かったという事にしようと思います。

パッケージから取り出したG2全体の写真
Amazonで販売されているのは下の写真の製品です。この製品ではマイクの付け根辺りにiitrustというロゴが入っていますが、私の買ったものにはこの様なロゴはありません。違う部分はそれぐらいです。
Bluetooth ヘッドセット Earaku(イアラク) 

デザイン

正直なところ、お洒落だと言える感じではありません。かといってダサくてどうしもうもないのかというと、そこまでではないと思います。写真で見ると、部分的にクロムメッキになっている辺りが、なんとなくゴチャゴチャとギークなテイストのデザインに見えて多少心配はしていました。届いた実物も、たしかにこの部分は写真のまんまのカタチをしています。ところが、製品まるごと全体のサイズ感が、写真で見る印象よりも小ぶりなものでした。このメッキの部分に関しても、かなり小さくちまちまと装飾してあるような感じで、そんなに目立ちません。さらに、この写真ではクロムメッキのような色に見えますが、実物ではもっと暗いガンメタリックの様な色だったので、より一層目立ちにくく、主張が抑えられている感じになっています。この点は良かったと思います。

装着してみると、なんとなく曖昧な感じで万人の頭にそれとなくフィットしてしまいそうなフィット感です。サイズ調整機構などはなく、完全にOne Size Fits Allの造りですが、私自身は、装着感が悪いとは特に感じません。そして軽いので、装着した状態で動いても、ズレたり落ちたりしやすそうな感じはありません。歩き回ったり、軽い運動をしたり、ちょっとした作業をしたりしながら使うのに、不自由はなさそうです。アームも首の後ろにあるので、自転車ヘルメットの邪魔にもなりません。

骨伝導なのか、そうでないのか

この製品はもともと骨伝導イヤホンマイクと表示されて販売されていましたが、途中から骨伝導という表示は無くなりました。中華ではおなじみの怪しいパターンです。価格がずいぶんと安いという事もあり、まあ骨伝導というのはウソだろう、と疑いつつ発注しました。届いた実物を確認してみると案の定骨伝導ではありませんでした。顎や脳天にイヤホン部分を当ててみても聴こえて来ません。耳の近くに持ってきた時だけ聴こえてきます。ひょっとして骨伝導もこんなに安く買える時代になったのかも知れないぞ、なんて淡い期待がまるっきり無かったと言えば嘘になります。しかしまだそんな時代ではなかった様です。



気になる音質は

音が聴こえてくるスリット部分の説明写真

意外なことに音質そのものはそこまで悪いものではありません。上の写真の赤い丸で囲んだ2つの小さなスリットから音が聴こえてきます。スリットの奥に小さなスピーカーがあり、音がスリットから漏れてきて聞こえるような設計だと思います。やったもん勝ちみたいな造りではあるんですが、これでちゃんと使えはします。

全体的にシャカシャカ、カリカリとした軽くて乾いていて硬質な感じの音で、さすがに高音質とまでの評価はできないものの、それでも通話専門の電話機の音質みたいなものとは違って、楽器の音色もある程度聴き取れるような音質です。オーディオ家電だと名乗ったとしても、ふざけるな嘘だろ、とまでは思いません。

また、自分自身では分かりませんが、マイクも特に問題なさそうです。通話の相手から「聴こえない」とか「音が悪い」とか言われた事はありません。

とにかく価格がこの安さなので、ものすごく良い製品である事など、はじめから期待していませんでした。そんな事もあって、期待を上回っていた印象です。

こういう、チープでどこかヘンテコだけれども実用のニーズは満たしている、という製品に出会うと、頭でっかちでウダウダと足踏みばかりしているよりも、思いついたものをどんどん作ってカタチにしてみる行動力は大事だと教えられている気がします。

散歩と自転車で使用してみる

早速このヘッドセットで音楽を聴きながら近所を散歩したり、自転車に乗ったりしてみました。スマホのSDカード内にMP3形式で保存してある音楽を再生して聴いてみました。ペアリングは早いです。ごくたまに再生のもたつきみたいなものがありますが、ストレスを感じるほど頻発はしません。そもそも、そのもたつきが発生する原因がスマホ本体側の問題なのかヘッドセットの問題なのかも分かりません。

ひとりっきりで殺風景な場所を移動する時の気晴らしとしては十分な役割を果たしていると感じます。耳の穴を塞がないので周りの音は当然よく聴こえます。音楽を流したまま対面の会話も問題なくできそうです。例えばトラックが近づいて来た時のように、大きなノイズが発生すると音楽はかき消されてほぼ聴こえなくなり、通り過ぎれば再びよく聴こえる、といった感じです。カナルタイプのステレオイヤホンとは完全に違う感じの聴こえ方です。たまに商店街のアーケードでスピーカーからBGMを流している場所がありますが、それに多少近い感覚です。

ちょうど私は、当たり障りのないインストのスムース・ジャズ等を主にBGMとして流しています。それは、万が一音漏れをして周りの人に聴かれてしまったときでも、あまり気まずい思いをしなくて済みそうだからです。そんなジャンルの音楽を選んでいるせいもあって、なおさら商店街のアーケードの様な雰囲気が出ます。もしくはテレ東の旅番組です。

とはいえ、どちらの雰囲気も嫌いではありません。実際には、音漏れして周りの人に聴こえる事もないので聴く音楽の中身を気にする必要まではなかったのでしょうが、たまたま試してみたらこの手のジャンルの音楽が持つ「音の清涼感」とでもいうか、フワッと漂うリフレッシュ感が思いのほか気に入ってしまい、むしろ好き好んで聴くようになりました。

まとめ

骨伝導ではなく、全体的にチープな雰囲気も否めないものの、価格が安いので、高性能を求めていないケースでは十分アリだと思います。特に私のように、屋外などの空間にひとりっきりで居る時の暇つぶしの相棒という用途には、かなり適していると言えると思います。しかし例えば、満員の通勤電車で使いたいというような場合には、すぐ近くに居る人に音漏れが聴こえそうですので、あまり向かないのかも知れません。特に神経質なほうではない、と自覚している人であれば、コスパが良いと評価できる製品だと思います。