夏の味覚にコンデンスミルク

夏の味覚にコンデンスミルクはとってもよくマッチする。かき氷やコーヒーゼリーばかりでなく、もっと色々なものに合わせてみる価値があると私は思う。コンデンスミルクは、色々な料理の味に調和するばかりでなく、旨味やコクをプラスして味をグレードアップさせるのだ。

コンデンスミルクはどんな料理に合うのか?

私は2年間タイに住んでいた経験があるのだが、東南アジアではコンデンスミルクは色々な食べ物や飲み物によく使われる、とても身近な存在だった。日本よりももっと日常的に多用されていた気がする。コーヒーの屋台ではコーヒーにたっぷり入れてくれた。ロッティという、鉄板で焼くクレープみたいなスイーツを買えば、それにもたっぷりかけてくれた。強烈な甘さだったが、暑さによる疲れが取れるようで、私は好きだった。
気候的に気温が高く湿度が高い東南アジアでは、腐りやすい生の牛乳を加工してコンデンスミルクにする事で保存性が向上できる事もあるだろうし、食欲が減退しやすい蒸し暑い気候の中で、はっきりしたわかりやすい濃厚な甘みが美味しく感じる事もあるだろう。これらの色々な良さが、地域の人々に支持される理由ではないかと思う。
日本も、近年の温暖化の進行で、真夏の暑さは東南アジアを超えているぐらいのレベルだ。また、SNSや、海外旅行に出かける機会の増加によって世界中の料理のレシピの情報がこれまで以上に共有される様になってきている。人々の味覚も、これまで知らなかった世界各地の味覚を受け入れ、さらには未知のものを求めるようにもなっている。そこで、東南アジアで暮らした私が、日本ではあまり浸透していないけれども美味しいと思う、コンデンスミルクと色々な料理とのコンビネーションを紹介していきたい。

アイスコーヒーにコンデンスミルク

東南アジアでは、深煎りのコーヒーをネル袋に入れて煮出したアイスコーヒーや、濃い目に入れたインスタントコーヒーで作ったアイスコーヒーに、コンデンスミルクをたっぷりと入れて飲む飲み方が人気である。これを我が国でもおすすめしたい。暑さによって疲れた身体には、日本人の感覚ではどちらかというと薄味でさっぱりしたものが欲しくなりがちだと思う。私自身もそうだった。しかし現地の人を真似してこの強烈に甘いコーヒーを飲んでみたら、強めの甘みが全身にしみ渡るように感じて、こういうのもアリだなと、一発で大好きになった。また、甘さばかりでなく、ミルクの風味にもコンデンスミルクならではの濃厚なコクが感じられて、生乳やコーヒー用ポーションとはまた違う、エキゾチックな味わいになるのもまた魅力だ。
私は、プルメリアの花が咲いているのを眺めながらこの激甘のコーヒーを飲むと、なぜか独特の異国情緒を感じ、それが特に好きだ。

あんみつにコンデンスミルク

あんみつにアイスクリームやホイップクリームを乗せたクリームあんみつというものがあるが、アイスクリームやホイップクリームの代わりにコンデンスミルクをかけるのもおすすめである。あるいは、クリームあんみつにさらにコンデンスミルクを足してしまっても美味しい。ミルキーな風味は、小豆あんにもよくマッチする。

パンケーキ/ホットケーキにコンデンスミルク

タイでは、屋台やフードコートで見かける定番のスイーツに、「ロッティ」という料理があった。どの様な料理かというと、厚焼きのクレープというか、薄焼きのパンケーキみたいなものを折りたたんで、コンデンスミルクで甘く味付けしたものだ。食べやすくスライスされたバナナなどがトッピングされる事も多い。パンケーキやホットケーキにコンデンスミルクをかけると、これに通じる美味しさがある。

バニラアイスクリームにコンデンスミルク

もともと甘いバニラアイスクリームではあるが、そこにあえて甘いコンデンスミルクをかけてみるのがおすすめの食べ方である。しつこい甘さが想像されがちではあるが、そこまでしつこさが出る訳でもなく、それ以上にミルキーなコクがプラスされ、味に高級感が出る。日本には割とさっぱりタイプのバニラアイスクリームが多い。これらを暑い中で食べるそれはそれですっきりした美味しさがあるが、物足りなさを感じる事もある。もっと食べごたえや満足感が欲しいときに、コンデンスミルクをかけるのは特におすすめの食べ方である。

カレーにコンデンスミルク

意外な様だが、カレーにコンデンスミルクを入れても美味しい。適度な量を入れる事で、ミルキーでクリーミーなマイルドさと厚みのあるコクがでる。また、砂糖の甘さも、 旨味やコクを引き立てる働きがある。ただし、強烈な甘味によって味のバランスを崩さないよう、少なめを心がけて加減して入れるようにしよう。

ホワイトシチューにコンデンスミルク 

カレーと同様、コンデンスミルクはホワイトシチューにもマッチし、コクが味わいを引き立てる働きがある。ただし、カレーよりも塩味やスパイシーな風味が控えめなホワイトシチューでは、コンデンスミルクの強烈な甘味の影響がいっそう出やすい。控えめな分量を心がけて使うようにしよう。慣れるまでは、味見をしながら少しずつ足していくのも良い方法だ。

カルボナーラにコンデンスミルク 

スパゲッティのカルボナーラにもコンデンスミルクが合う。少し加えるとコクが出る。濃厚なクリーミーさを足すのと共に、ちょっとした甘みもまた、全体の旨味を引き立てる。ただし、多すぎると味のバランスが崩れるので、多くなりすぎない様に、適度に加えよう。まずは、隠し味程度を意識してスタートすると失敗しにくいだろう。

パンにコンデンスミルク

トーストした食パン、そのままの食パン、パターロール、コッペパンなど、各種のパンにジャム感覚でコンデンスミルクをつけて食べると美味しい。暑くて食欲の衰えがちな夏でも、はっきりとした甘みが味覚のやみつき感覚を刺激するコンデンスミルクのおかげで、食パンの1~2枚を簡単に食べきってしまえる。もともとパンにはわずかばかりの塩味を感じる場合がほとんどだが、そのわずかな塩味とコンデンスミルクはとても相性が良い。食欲が無いけれど夏バテ防止のためにしっかり食べてスタミナをつけなくちゃ、なんて時には、手軽にエネルギーを摂取できる食べ方のひとつである。

コンデンスミルクは高い?もっと手軽に楽しむには

 我が国では、コンデンスミルクはちょっと高めの食材という印象がある。そんなコンデンスミルクだが、工夫次第では安く手に入れる事ができ、日常的に手軽に楽しむ事もできる。

缶入りのコンデンスミルクを買う


チューブ入りのコンデンスミルクは確かに割高だが、缶入りのコンデンスミルクはチューブ入りのものと比べるとだいぶ割安だ。おおよそ1グラムあたり1円ぐらいの単価で、これが例えば一般的なティースプーン1杯で5gの量にに対して約5円なので、そこまで高価な食材という印象ではない。ただし、缶入りのものは一度開封してしまうと、缶の内側が酸化してしまうので、缶に入ったまま長いこと保存するわけには行かない。そんな場合におすすめなのが、ドレッシング用のボトルに移し替えるという方法だ。ハチミツ用のボトルでも良い。冷蔵庫のドアの内側あたりに立てて保存して、使いたい時にさっと使える。乳製品なので痛みが早いと思われがちなコンデンスミルクだが、パッケージやメーカーの商品情報などで確認してみると意外と日持ちする食材なのでチェックしてみて欲しい。

容器に移し替える容器は、清潔さに注意しよう。熱湯やアルコールで殺菌したものを使うとより安心だ。

 
Amazonフレッシュ会員だと1缶から安く買える。フレッシュ会員でなくても、3缶セットの購入でほぼ同じ単価に。

森永乳業 練乳 397g

397g缶の移し替えにちょうどいい400ccボトル。適度に細く絞り出すことができ、本体から落下しないキャップもまた便利。

ママクラブ キャップ付 ディスペンサー ホワイト MC-35


業務用の徳用サイズを買う

小さなチューブ入りでは割高なコンデンスミルクも、1kg程度入った大きなパッケージだと、だいぶ割安になる。さらに、セットでまとめ買いするとさらに割安になる。友達と共同購入したり、あるいはお中元がわりにおすそ分けするのも良い。1kgはだいぶ使い出がある気がするが、コンデンスミルクは意外と日持ちがするし、色々な料理に使う習慣がついて来ると、案外余裕を持って早い時期に切ってしまう。特に使い途の多い夏場は消費量が多くなりがちで、おすすめの購入方法のひとつだ。

業務用1kg入りチューブ。3本セットならさらにお得。

北海道乳業 コンデンスミルク 1kg